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# Arcから考えるブラウザーの進化

**Arcに「Ⅱ」が登場する**

Josh Millerは先週、The Browser Companyが来年、新しいブラウザーを出すと発表した。現在のArcは安定版として保守を続ける。Arcはこの数年で急成長したが、主流のブラウザーにはなれないことがはっきりした。

この決定には、Arcが向き合う三種類の利用者が関係する。一つは製品を強く支持するパワーユーザーで、NotionやObsidianのような、レゴ的に組み立てられて美しく設計された道具も好む。もう一つは一般の利用者だ。Arcの発想は面白いが、使いこなすには少し複雑で、使い始めるコストが高い。得られる追加価値は、ブラウザーの乗り換え費用を上回っている。最後はThe Browser Company自身で、Arcをブラウザーの最終形とは考えていない。この三者を満たすには、Arcの形を変えるより、新しいブラウザーを出すほうが賢明だ。

**Arcから学んだ革新と成長**

* STPが定まった後、特定のコミュニティを見つけ、そこへ入るのは非常に有効な接点の作り方だ。ユーザー像で対象者を選ぶより効果がある。後者はSTPに合っていても、利用者同士につながりがない。一方、コミュニティの人々は本質的に強く結ばれている。Arcは開発段階から特定コミュニティで活動し、潜在利用者と交流した。正式公開後は招待・紹介の仕組みを巧みに使い、狙った利用者の間で成長した。私たちのビジョンは、何百万もの加盟店が商売をうまく営めるようにすることだ。「経営意識のある小規模事業者に届けたい」よりも、「飲食店の儲け方を話す特定のフォーラムへ入りたい」と考えるほうがよい。
* Arcは「もっと速い馬か、自動車か」という問いの好例だ。市場にブラウザーへの期待を尋ねても、今のArcに似たものを説明できる人はほとんどいないだろう。
* ArcはABテストより仮説検証を重視し、プロトタイプと実験を強く奨励する。PRDの手順も、正式なプロダクトマネージャーもいない。誰かが初期のアイデアを持てば、議論に時間をかけず、48時間以内に試作して公開し、直感が正しいか確かめる。
* 安定した継続的な関係を作るため、Arcには「Membership Team」と「Storytelling Team」という独特な二つのチームがある。社内では「ユーザー」という語を使わない。Membership Teamは製品との最初の接点から最後までサービスを担う。Storytelling Teamは、まだサービスを届けていない人に物語を伝えることでマーケティングを行う。細かな例を挙げると、Arcはほぼ毎週新機能を出し、変更履歴はArcのEaselで編集する。各機能を一人が説明して勧め、その人が開発者本人であることも多い。
* Arcの文化は反シリコンバレー型、あるいは反大企業型だ。ここでいうシリコンバレーは、効率、生産性、利益に満ち、人間味や魂、感覚が少し足りない世界を指す。Josh Millerがポッドキャストで語った説明を載せる。

  > 一歩引いて考えると、この世界では、感じられるものこそ最も大切なのかもしれないと思います。
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  > 少し想像してみてください。近所で一番好きな食堂はどこですか。私たちなら、ブルックリンのフォートグリーンの街角です。自然光がたっぷり入り、手作りの織物の座布団、キャラメル色の木目、天井から下がる色とりどりの飾りがあります。あなたの場所を思い描けますか。その温かさや精神を感じられますか。
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  > シリコンバレーの最適化好きなら、「コーヒーを正確に200度で淹れていない。椅子は少し古い。天井の飾りには機能がない」と言うかもしれません。
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  > でも、私たちはそこが大切だと思います。小さな手仕事の感触が、環境に人間性と精神を与えます。それがなければ、残るのは普遍的でもひどく単調なものです。機能的な要求は「完璧」に満たしても、感情的な要求を無視した空間になってしまいます。

**次世代ブラウザーの進化を考える**

Webアプリケーションは三層に分けられる。コンテンツ層は各サイト、ナビゲーション層は1990年代のポータルから現在の検索エンジンへ続くもの、制御層はブラウザーだ。

LLMの急速な発展は、多くの競争条件を変える。先週OpenAIがGPT searchを公開し、Googleの中核的な利益に触れた。GoogleはSafariの既定の検索エンジンになるため、Appleへ年間200億ドルを払っている。しかしWebの制御層にはまだ触れていない。次世代ブラウザーの進化は、必ずLLMというゲームチェンジャーのもとで起こる。この層で最も大きな既得権を持つのもGoogleだ。世界のインターネット利用者は計53億人、Chromeの一日当たりの利用者は30億人を超える。月間ではなく、一日である。ちなみに、この技術の波の中でGoogleは「二つの顔」を持つように見える。新旧が交わる地点が多くあり、追跡して研究すると面白いだろう。

次世代ブラウザーの姿に戻る。一つの仮説は、AIを中心にしたWebアプリのプラットフォームだ。そのAIは端末上で動くon-device AIであり、「行動する知能」になる。根拠は二つある。第一に、GitHubが公開したばかりのOctoverse 2024では、LLMの流れが端末側の小型モデルへ向かっている。on-device AIは技術の競争構造を根本から変えるが、鍵はAI Agentだ。第二に、端末は単なるコンテンツ生成から、利用者の具体的なタスクを終える方向へ進む。つまり「内容を作る知能」から「行動する知能」への移行だ。Claudeのcomputer useや、最近の中国製OSに、すでに兆しがある。たとえばHonorのMagic OSは、一言の指示で美団からラッキンコーヒーを注文できる。
